PRISM — S : Social Support
ソーシャルコネクト・ラピッド・ラポールとは?すばやく信頼を築く方法
1. 関係が短くなる時代の、信頼のつくり方
かつては、同じ職場に長くいることで信頼が自然に積み上がりました。いまは、プロジェクトごとにメンバーが変わり、取引先も入れ替わります。「そのうち分かり合える」という前提が成り立ちません。
だからこそ必要になるのが、ラピッド・ラポール(迅速な信頼関係づくり)です。これは社交性の話ではなく、技術の話です。人づきあいが得意かどうかにかかわらず、練習によって身につけられるものとして扱われます。
2. 孤独が及ぼす影響
社会的なつながりの乏しさは、気分の問題にとどまりません。健康や寿命にまで影響することが、多くの研究で報告されています。職場においても、孤立している人はパフォーマンスが落ちやすく、離職しやすいことが知られています。
一方で、必要なのは数ではありません。深く安心できる関係が一つか二つあれば、心身の支えとして十分に働くと考えられています。友人の多さを競う必要はまったくありません。
3. すばやく信頼を築く3つの方法
① 事実ではなく、背景を聞く
「何をしているか」ではなく「なぜそうしたか」を尋ねます。会話を長くするより、深さを一段上げるほうが、関係は早く育ちます。
② 先に少しだけ開示する
相手に話してほしいことは、自分が先に少しだけ話します。深い告白は不要です。「実は自分もこれが苦手で」くらいの一言で、相手の口は開きやすくなります。
③ 困っていない時期に連絡する
関係は、使うときにつくるものではなく、あらかじめ育てておくものです。必要になってからの連絡は、相手にもそう伝わります。
4. 頼ることは、弱さではない
助けを求めるのをためらう人は少なくありません。しかし、頼ることは相手にとって「信頼された経験」でもあります。頼られた側のマタリングが上がる、という効果すらあります。
いきなり深い相談をする必要はありません。「これ、どう思いますか」と、答えの軽い質問を一つ投げてみるくらいで十分です。人は、頼られると距離を縮めやすくなります。
本書ではどう説明されているか
『これからの生き方』では、第6章「ラピッド・ラポール ― プレッシャーの中での関係性」と第7章「ラピッド・ラポール2 ― 時間的な豊かさ、シンクロニシティ、個別性を通じたつながり」の2章にわたって扱われています。この分量が、著者たちがこの力をどれだけ重視しているかを示しています。
よくある質問
人づきあいが苦手でも身につきますか?
リモートワークでも信頼は築けますか?
ソーシャルコネクトとレジリエンスの関係は?
出典・参考文献
- Kellerman, G. R., & Seligman, M. E. P. (2023). Tomorrowmind. Atria Books.
- 日本語版『これからの生き方 揺らぐ世界で何度でも立ち直る力』(徳吉陽河 監訳・解説)
- 徳吉陽河(2023). ポジティブ大全. 総合法令出版
- コーチング心理学ガイドブック. 北大路書房
- ※ 本記事は自己理解のための情報であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。