PRISM — R · 高め方
レジリエンスを高める方法|失敗から立ち直れないときに
ANSWERレジリエンスは、感情を抑える力ではなく、戻る手順を持っているかどうかで決まります。回復が速い人は、特別に強いのではなく、落ち込んだときにすることをあらかじめ決めています。判断力が落ちているときほど、事前に決めた手順が効きます。
1. 立ち直れない原因は、たいてい2つ
ひとつは、出来事の解釈が広がりすぎていること。ひとつの失敗が、自分全体の評価にまで及んでしまう状態です。もうひとつは、回復の手順を持っていないことです。
どちらも性格の問題ではありません。前者は解釈の癖、後者は準備の有無です。両方とも変えられます。
2. 4つの手順
① 出来事と解釈を分けて書く
何が起きたか(事実)、何を思ったか(解釈)、その結果どうなったか。分けるだけで、荷物は軽くなります。
② 思い込みに反証をひとつ足す
反対の結論を出す必要はありません。断定を仮説に戻すだけで十分です。
③ 回復の型を、元気なうちに決めておく
散歩する、湯につかる、この人に連絡する、この時間に寝る。落ち込んでから考えるのは難しいので、先に決めておきます。
④ 頼る練習をしておく
ソーシャルコネクトは、必要になってから作れません。困っていない時期に小さく頼っておくことが、後の回復速度を左右します。
3. やってはいけないこと
- 感じないようにする。抑え込んだ感情は消えず、時間差で出てきます。
- すぐに意味を探す。消耗しているときに意味を探すと、見つからないことが追い打ちになります。
- ひとりで完結させる。誰かに話すことは、回復のための最も確実な手段のひとつです。
- 回復の速さを他人と比べる。戻るまでの時間は、出来事の重さと状況によって変わります。
4. 戻れないときは
回復力が働きにくいと感じるとき、その多くは本人の弱さではなく、負荷が大きすぎる状況にあります。まず必要なのは、力をつけることより風を弱めることかもしれません。
強い落ち込みが2週間以上続いているときは、専門の相談窓口や医療機関に相談することを強くおすすめします。早い段階で相談するほど、回復にかかる時間は短くなります。
よくある質問
どのくらいで立ち直れるものですか?
出来事の重さによります。ただし同じ出来事でも、解釈と手順によって数日から数か月まで幅が出ます。変えられるのはこの幅の部分です。
何度も同じことで落ち込みます。
解釈の型が固定されている可能性があります。書き出して、3つの型(個人的・永続的・全体的)のどれに当たるかを見てみてください。
周りに相談できる人がいません。
職場の相談窓口、産業医、自治体の相談窓口などが使えます。話す場所を確保することが先で、解決策はその後で構いません。
出典・参考文献
- Kellerman, G. R., & Seligman, M. E. P. (2023). Tomorrowmind. Atria Books.
- 日本語版『これからの生き方 揺らぐ世界で何度でも立ち直る力』(徳吉陽河 監訳・解説)
- 徳吉陽河(2023). ポジティブ大全. 総合法令出版
- ※ 本記事は自己理解のための情報であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。