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マタリングとは?自分の存在に意味を感じる力

執筆:これからの生き方 編集部 監修:徳吉陽河(『これからの生き方』監訳・解説) 最終更新:2026年8月28日
ANSWERマタリングとは、自分は誰かにとって意味のある存在だと感じられることです。やる気の問題というより、所属と貢献の実感の問題です。仕事の内容そのものより、自分の働きが誰にどう届いているかが見えているかどうかが、この感覚を大きく左右します。

この記事でわかること

  1. 1. 「自分がいてもいなくても同じ」という感覚
  2. 2. マタリングは、2つの要素からできている
  3. 3. なぜ、お金よりマタリングなのか
  4. 4. マタリングを取り戻す方法
  5. 5. つらさが続くときは
  6. よくある質問
  7. 出典・参考文献

1. 「自分がいてもいなくても同じ」という感覚

職場でこう感じたことがある人は、決して少なくありません。そしてこの感覚は、多くの場合、その人の価値が低いことを意味していません。

人の働きは、たいてい届いた先が本人に返ってきません。忙しい職場ほど、うまくいっていることは話題にならず、問題だけが共有されます。その結果、実際には貢献しているのに「見られていない」という感覚だけが残ります。マタリングが低く出る原因の多くは、本人ではなく環境の側にあります。

2. マタリングは、2つの要素からできている

マタリングは、他者からの評価である承認・認識と、自らの貢献の手応えである達成感の2つから成り立ちます。この2つは似ているようで別のものです。

要素内容
承認・認識(Recognition)自分の仕事が組織や同僚に認められていると感じられること。外から届くもの。
達成感(Achievement)自分の仕事が組織の成果に結びついていると実感できること。内から立ち上がるもの。

よく褒められるのに手応えがない人もいれば、確かな成果を出しているのに誰にも見られていないと感じる人もいます。どちらが欠けても、マタリングは目減りします。

→ 組織におけるマタリング(重要感)尺度(OMS)で測る

3. なぜ、お金よりマタリングなのか

報酬が上がっても働きがいが戻らない、という経験をした人は多いはずです。研究が示してきたのは、一定水準を超えると、報酬の増加がもたらす満足の伸びは小さくなるということです。

代わりに効いてくるのが、自分の仕事が誰かに届いているという実感です。マタリングの高い人は、仕事への活力・熱意・没頭(ワーク・エンゲージメント)が高く、精神的なストレスも低い傾向が報告されています。困難な局面でも粘り強く取り組めるのは、うまくいかない期間を「無駄」ではなく「途中」として扱えるからです。

4. マタリングを取り戻す方法

① 大きな意味ではなく、小さな届き先を探す

「社会のため」ではなく、「あの人のため」。抽象的な貢献より、顔の見えるひとりのほうが、実感は強く長く残ります。

② 届いた場面を記録する

一日の終わりに、自分の行動が誰かに届いた場面を1つだけ書き留めます。小さくて構いません。手応えは、覚えておかないと薄れてしまいます。

③ 先に、誰かのマタリングを支える

誰かの行動が誰に届いたかを言葉にして伝えると、その人のマタリングが直接上がります。そしてマタリングは、自分ひとりで育てるより、渡し合うほうが増えていきます。

④ 仕事を描き直す(ジョブ・クラフティング)

担当業務そのものを変えられなくても、意味づけと関わり方は変えられます。誰と話すか、どこに時間をかけるか。ここに裁量が残っていることは意外と多いものです。

5. つらさが続くときは

「自分は誰の役にも立っていない」と感じる状態は、とてもつらい経験です。けれどその感覚は事実の報告ではなく、疲れや状況が見せている景色であることが少なくありません。

この感覚が長く続いてつらいときは、信頼できる人や専門の相談窓口に話してみることも、自分を大切にする確かな行動のひとつです。あなたの存在は、得点で測れるものではありません。

本書ではどう説明されているか

『これからの生き方』では、第5章「ミーニング・ラッシュ ― お金ではなく、マタリングを求める理由」で扱われています。巻末の付録には、組織におけるマタリング(重要感)尺度(OMS)も収録されています。

→ OMSを受ける / → 読み方ガイド

よくある質問

マタリングと承認欲求は同じですか?
違います。承認欲求は他者から認められたいという欲求ですが、マタリングは自分が誰かにとって意味ある存在だという実感です。褒められることだけでなく、自分の貢献が届いている手応えも含みます。
マタリングが低いのは、自分に問題があるからですか?
多くの場合、そうではありません。貢献が本人に返ってくる経路が細い職場では、誰が働いても同じ結果になります。個人の努力より、仕組みで改善できる余地が大きい領域です。
職場を変えずにマタリングを高められますか?
高められます。自分の仕事の先にいる人を具体的に思い浮かべる、届いた場面を記録する、誰かの貢献を言葉で伝える。この3つは、環境を変えずに始められます。

出典・参考文献

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