Practice — 10 MIN · Resilience
「決めつけ」を検証する5分の書き出し
ANSWER落ち込んだ出来事を、出来事・思い込み・結果の3つに分けて書き出すワークです。所要時間は1回5分。事実と解釈が混ざったまま考えていたことに気づくと、背負っていた荷物が実際より重かったとわかります。認知的敏捷性の基礎練習にあたります。
1. なぜ効くのか
落ち込んでいるとき、頭の中では出来事と解釈が一体になっています。「上司の返事が短かった」は事実ですが、「嫌われた」は解釈です。この2つが混ざったまま考えていると、事実より重い荷物を背負うことになります。
分けて書き出すだけで、解釈が解釈として見えるようになります。消す必要はありません。見えるようになるだけで、扱いが変わります。
2. やり方(5分)
- ① 出来事(1分) 何が起きたかを、事実だけで書く。カメラに映ることだけ。感情や推測は入れない。
- ② 思い込み(2分) そのとき頭に浮かんだことを、そのまま書く。整えない。「もう終わりだ」でも構わない。
- ③ 結果(1分) その結果、どんな気持ちになり、何をしたか(またはしなかったか)。
- ④ 反証をひとつ(1分) ②に書いた思い込みに反する事実を、ひとつだけ探して書く。
④が肝心です。反対の結論を出す必要はありません。目的は、断定を仮説に戻すことです。「もう終わりだ」が「終わりかもしれないし、そうでないかもしれない」に変わるだけで十分です。
3. うまくいかないときのコツ
反証が見つからない。自分についてではなく、状況について探してください。「自分には能力がない」の反証は探しにくくても、「この案件は他の人も苦戦していた」なら見つかることがあります。
書くのがつらい。その日は①だけでも構いません。事実を書くだけでも、頭の中を回っていたものが外に出ます。
続かない。毎日やる必要はありません。落ち込んだ日だけで十分です。2〜4週間続けると、自分の思考の癖が見えてきます。
4. 慣れてきたら
解釈の型に注目してみてください。回復を遅らせる解釈には特徴があります。個人的(自分のせい)・永続的(ずっと続く)・全体的(すべてに及ぶ)の3つです。
自分の思い込みがこの3つのどれに当たるかを見て、範囲を限定し直します。「自分はだめだ」ではなく「今回のこの部分が通らなかった」。範囲が正確になると、次の行動が具体的になります。
よくある質問
いつやるのがよいですか?
落ち込んだ日の夜が基本ですが、判断力が落ちている深夜は避けたほうが無難です。翌朝に回しても効果は変わりません。
紙とアプリ、どちらがいいですか?
どちらでも構いません。ただし後から読み返せる形にしておくと、自分の癖が見えてきます。
効果が出るまでどのくらいですか?
1回5分を2〜4週間続けると、書かなくても頭の中で分けられるようになってきます。
出典・参考文献
- Kellerman, G. R., & Seligman, M. E. P. (2023). Tomorrowmind. Atria Books.
- 日本語版『これからの生き方 揺らぐ世界で何度でも立ち直る力』(徳吉陽河 監訳・解説)
- 徳吉陽河(2023). ポジティブ大全. 総合法令出版
- ※ 本記事は自己理解のための情報であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。