Career — 将来不安
将来が不安で眠れないときに、まずやってみるとよいこと
ANSWER漠然とした不安は、書き出して具体化すると扱える形に変わります。不安が苦しいのは、悪いことが起きるからではなく、輪郭がないまま頭の中を回り続けるからです。最良・最悪・最もありそうな3つの未来を書き出すだけで、多くの場合、不安の総量は減ります。
1. 不安が消えないのは、輪郭がないから
不安には、扱えるものと扱えないものがあります。「来月の支払いが厳しい」は扱えます。金額と期日がわかるからです。「将来が不安」は扱えません。何が、いつ、どうなることを心配しているのかが決まっていないからです。
頭の中で回り続ける不安は、たいてい後者です。そして輪郭がないぶん、いつまでも終わりません。まずやるべきは、解決することではなく、輪郭をつけることです。
2. 3つの未来を書き出す
紙かメモアプリに、次の3つをそれぞれ3行ずつ書きます。
- 最悪の未来:いちばん避けたい状況。具体的に、時期と内容まで。
- 最良の未来:うまくいったらどうなっているか。
- 最もありそうな未来:冷静に見て、現実的にどうなりそうか。
ここで効くのは、最悪を書くことです。避けているうちは巨大に見えていたものが、書いてみると意外と対処可能だとわかることが多くあります。逆に本当に深刻なら、いま備えるべきことが具体的になります。どちらにしても前に進みます。
3. 「いま決められること」を1つだけ選ぶ
3つの未来を書いたら、そのうちいま自分がコントロールできることを1つだけ選びます。ひとつです。複数選ぶと、たいてい全部止まります。
不安が減るのは、状況が良くなったときではなく、自分が何かを動かせていると感じたときです。動かす対象は小さくて構いません。
4. 眠れないときの手当て
夜に考えることは、たいてい実際より悪く見えます。判断力が落ちている時間に将来を検討しても、正確な結論は出ません。
「今日は考えない。明日の朝10分だけ考える」と決めて、書き出すところまでを翌日に回すのが有効です。考えないようにするのではなく、考える時間を移動させるのがコツです。
眠れない状態や強い落ち込みが2週間以上続いているときは、専門の相談窓口や医療機関に相談することも、確かな一歩です。
よくある質問
不安をなくすことはできますか?
なくす必要はありません。不安は、備えるべきことがあると知らせる働きでもあります。目指すのは消すことではなく、輪郭をつけて扱える形にすることです。
書き出しても不安が減りません。
抽象度が高すぎる可能性があります。「将来が心配」ではなく「3年後に今の職種の求人が減っていたら困る」というところまで具体化すると、対処が見えてきます。
誰かに相談したほうがいいですか?
有効です。人に話すと、自分の言葉が跳ね返ってきて、思っていたより整理できていた部分と、まったく整理できていなかった部分が分かれます。
出典・参考文献
- Kellerman, G. R., & Seligman, M. E. P. (2023). Tomorrowmind. Atria Books.
- 日本語版『これからの生き方 揺らぐ世界で何度でも立ち直る力』(徳吉陽河 監訳・解説)
- 徳吉陽河(2023). ポジティブ大全. 総合法令出版
- ※ 本記事は自己理解のための情報であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。強い落ち込みが2週間以上続く場合は、専門機関へのご相談をおすすめします。