Career — AIと仕事
AIに仕事を奪われそうで怖いときに、考えておきたいこと
1. 不安を2つに分ける
「AIに仕事を奪われる」という言葉には、性質の違う2つの不安が混ざっています。混ざったままだと、対処のしようがありません。
| 不安の種類 | 内容と対処の方向 |
|---|---|
| 置き換えの不安 | 自分の業務の一部が自動化される。対処は「どの部分が置き換わり、どの部分が残るか」を具体的に洗い出すこと。多くの場合、職業まるごとではなく、職務のいくつかが置き換わります。 |
| 激流の不安 | 使うツールも求められる能力も変わり続ける。対処は、変化に耐える心の使い方を育てること。個別のスキルを追いかけても追いつきません。 |
『これからの生き方』では、この2つが第2章「2つの試練 ― 労働における自動化と激流」として整理されています。
2. 「安全な職業」を探しても足場にならない
どの職業が生き残るかを当てにいく戦略は、うまくいきません。予測が外れることもありますが、それ以上に、職業の中身そのものが数年で書き換わるからです。5年前の「同じ職業」と今の「同じ職業」は、実際にはかなり別の仕事になっています。
足場になるのは、職業名ではなく能力のほうです。とくに、環境が変わっても持ち運べる力。『これからの生き方』が5つの力(PRISM)を提示しているのは、この理由からです。
3. いま準備できる3つのこと
① 自分の仕事を「職務」に分解する
職業ではなく、実際にやっている作業のリストにします。そのうえで、それぞれに「置き換わりやすい/残りやすい」の印をつけます。判断基準は、正解が決まっているかどうか、そして人の状況を理解する必要があるかどうかです。
② 問いを立てる側に回る練習をする
AIは答えをつくるのが得意です。だからこそ、何が問題なのかを定義し、誰のために解くのかを決める部分が人の側に残ります。会議で「そもそも何を決めたいのか」と一度だけ言ってみる。それだけでも訓練になります。
③ 変化そのものへの耐性を上げる
新しいツールを1つ、実際に触ってみることです。理解する必要はありません。触れる経験があるかどうかで、次の変化への身構え方が変わります。
4. 眠れないほど不安なときは
不安が強いとき、情報を集めるほど悪化することがあります。将来の予測記事を読む時間を減らし、まず睡眠を確保するほうが先です。
先を思い描くには、実はある程度の心の余裕が必要です。余裕がないまま未来を考えると、悪い可能性ばかりが鮮明になります。足元を整えてから考えても、遅くはありません。
よくある質問
AI時代に必要な能力は何ですか?
いまから勉強しても間に合いますか?
AIを使う側になれば安心ですか?
出典・参考文献
- Kellerman, G. R., & Seligman, M. E. P. (2023). Tomorrowmind. Atria Books.
- 日本語版『これからの生き方 揺らぐ世界で何度でも立ち直る力』(徳吉陽河 監訳・解説)
- 徳吉陽河(2023). ポジティブ大全. 総合法令出版
- ※ 本記事は自己理解のための情報であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。強い落ち込みが2週間以上続く場合は、専門機関へのご相談をおすすめします。