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マーティン・セリグマン
Martin E. P. Seligman
マーティン・セリグマンは、ポジティブ心理学の創始者として知られる心理学者です。1942年、米国ニューヨーク生まれ。ペンシルベニア大学心理学部教授。1998年に過去最多の票数でアメリカ心理学会の会長に選出され、心理学の主題を「病理の治療」から「人が何によって充実するのか」へと広げた人物として位置づけられています。学習性無力感やうつ病の研究における世界的権威でもあります。『これからの生き方』(原著 Tomorrowmind)では、ガブリエラ・ローゼン・ケラーマンとの共著者を務めています。
学習性無力感から、学習性楽観主義へ
セリグマンの出発点は、逆境に置かれた生きものが「何をしても変わらない」と学習してしまう現象の研究でした。この学習性無力感の研究は、うつの理解に大きな影響を与えました。
しかし彼が注目したのは、同じ状況に置かれても無力感に陥らない一定数の存在です。何が違ったのか。鍵になったのは、出来事の受け取り方の癖でした。この発見が、後の説明スタイルの研究へ、そしてレジリエンスを訓練で高められるという考え方へとつながっていきます。
ポジティブ心理学という転換
1990年代後半、セリグマンは心理学が扱ってきた対象の偏りを指摘します。何がうまくいかないのかは膨大に研究されてきたのに、何がうまくいっているのかはほとんど扱われてこなかった、と。
ここから、強み、幸福感、意味、没頭といったテーマを実証的に扱うポジティブ心理学が立ち上がります。重要なのは、これが「前向きに考えよう」という励ましではなく、測定と検証を伴う研究領域として設計された点です。
本書における役割
『これからの生き方』でセリグマンが持ち込んでいるのは、レジリエンスとプロスペクションの理論的な土台です。とくに、人間を「未来を思い描く動物」として捉える視点は、本書の第8章の核になっています。
共著者のケラーマンが現場と脳科学の側から接続することで、理論が職場の実務に降りてくる構成になっています。
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最終更新:2026年8月28日/このページは書籍本文の再掲ではなく、読者向けの独立した解説として書かれています。